(ああ、また気持ち悪いとか考えてるんだろうなぁ) |
棺の中 |
自分の下で虚ろに宙を眺めている痩せて骨ばって抱き締めたってちっとも気持ちよくない躰の持ち主の思考を推測してみてコムイはますます陰鬱な気持ちになった。 初めて組み敷いた時みたいに泣いて喚いてめちゃくちゃに抵抗してくれればいいのに、いい加減慣れたらしい彼はまったく反応してくれない。 ただ機械的に喘いで泣いて躰を震わせるだけで、そこに感情は一切無くてひどくつまらない。 ぐちぐちとわざと音を立てて内臓を抉って自身の快楽と相手の快楽とを同時に追い求めてみるけれど、熱く高ぶる肉体とは反対に頭の方はまったくの冷静だ。 性処理には問題ないが、気分転換にはなりそうも無い。 だってちっとも楽しくないのだ。 (泣いてくれないかな) 人形のように生気の感じられない真っ白な顔を見下ろして、コムイは彼の泣き顔を思い出す。 初めてそのきれえなピンク色をした腸壁にどす黒い欲望を突き立てられた時みたいに、身も世もなく泣きじゃくって欲しい。 顔中を涙や唾液や白く濁った精液でぐしゃぐしゃにして、胃の腑の中身を全部吐き出したあの昼間のような彼を見たい。 今のこの顔だってじゅうぶんきれえだけれど、あの顔はもっときれえだったのだ。 「ねぇ」 己の律動のままに揺れる躰に圧し掛かって、その持ち主に懇願してみる。 「あの時みたいに泣いてよ」 心の底からのお願いだったのだけれど、彼はその言葉に口元を歪めて笑っただけで、それ以上はもう反応を返してはくれなかった。 (残念) 溜息を吐いて、コムイはせめて悲鳴じみた鳴き声だけは聞こうと強くその身体を攻め立てた。 だって、とてもきれえだったのだ。 自尊心も矜持も自信も誇りも僕に向けられた妬みや嫉みもほんの少しの憧憬もなにもかも壊されてぼろぼろになった彼はとてもとても可愛らしくいとおしかった。 その顔を知っているのは僕だけで、誰にも見せた事なんて無いでしょう? 例えばいつも君と一緒に居る秘書とか、幼い頃から君を見守ってきた番人やら、敬愛するお爺様には。 誰もが知ってる君になんか興味は無くて、僕だけ知っている君が、僕だけの君が欲しい。 だって僕は君に決めたから。 もう僕は戻れないから、どこまでもどこまでも僕と一緒に地獄に落ちてくれる君が好き。 ねぇ、あの日僕だけの物になった君はなんてきれいだったのだろう。 新サイト一発目から何を書いているのでしょう… しかも最後めちゃくちゃ…コムイ、落ちてくれるんじゃなくて、バクちゃんをお前が引き摺ってくんだろ…って!!固有名詞使ってないからわかんないでしょうが、相手はバクちゃんです!! ホントです!! だって、バクちゃんって文章内で表記すると変な感じが…バク…うん、ちょこっと困るんだよね はは |